2012年 05月 27日
神戸市東灘区で、母親を亡くして1人になった中度の知的障害のある男性(51)が、地域で住民らの支援を受けながら暮らしている。同居する家族と一緒に障害者や認知症のお年寄りが遺体で見つかる「孤立死」が相次ぐ中、家族は「もし、自分が死んだら」という不安にさらされている。孤立死を防ぐために、男性のケースは一つのヒントになりそうだ。
男性は一人っ子で、父親を94年に亡くしてからは母親と2人暮らし。母親は、障害者の自立を支援するNPO「チャレンジひがしなだ」(武田陽子理事長)が03年に設立された当初から加わっていた。
会員が異変に気づいたのは10年春ごろ。母子は汚れた服を着て、風呂にも入っていない様子だった。母親は昔話を繰り返し、病院で認知症と診断された。家の中はごみだらけ。母親が食事を作っている形跡はなく、男性は好きなものを買っては食べ散らかしていた。
会員が神戸市の障害者相談窓口「ひがしなだ障害者地域生活支援センター」に通報し、母親に成年後見人が付いた。10年6月、母親ががんで緊急入院。男性は夜中、会員に「どうしたらいい」と電話で助けを求めてきた。後見人や武田理事長、支援センター担当者らが集まり、どう支援するかを協議した。施設に入る選択肢もあったが、男性は公園の清掃の仕事もしており、「自宅で暮らしたい」と希望した。
別のNPOで障害者の権利擁護活動に取り組む岩田裕子さん(62)が成年後見制度の保佐人として、自宅での暮らしを見守ることになった。夫眞(まこと)さん(67)もボランティアとして加わった。「チャレンジ」は拠点のマンションで通常は月に1~3泊程度実施している障害者の宿泊訓練を、男性には一時、毎月7日間に延長。会員らも交代で泊まり込み、洗濯や入浴、掃除などを教えている。
母親は同年12月1日、息を引き取った。
「定期券をなくした」「トイレの水が止まらない」。岩田さん夫妻には男性からひっきりなしに電話がかかる。夫妻は「まるで住宅の管理人」と苦笑するが、「親のように頼りにしてくれるのがうれしい」と、関わり続けていくことを決めている。
4月13日、会員らは男性の51回目の誕生日をケーキで祝った。男性は「時々寂しいこともあるけど、大丈夫。皆が心配してくれるからうれしい」と笑顔を見せた。武田理事長は「男性は親がいるうちに会とつながっていたからこそ地域ぐるみでの支援が可能になったが、1人暮らしには限界がある」と話し、日常生活の支援を受けながら自立した生活を送れるケアホームの整備を訴えている。
→http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120527-00000015-mai-soci
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男性は一人っ子で、父親を94年に亡くしてからは母親と2人暮らし。母親は、障害者の自立を支援するNPO「チャレンジひがしなだ」(武田陽子理事長)が03年に設立された当初から加わっていた。
会員が異変に気づいたのは10年春ごろ。母子は汚れた服を着て、風呂にも入っていない様子だった。母親は昔話を繰り返し、病院で認知症と診断された。家の中はごみだらけ。母親が食事を作っている形跡はなく、男性は好きなものを買っては食べ散らかしていた。
会員が神戸市の障害者相談窓口「ひがしなだ障害者地域生活支援センター」に通報し、母親に成年後見人が付いた。10年6月、母親ががんで緊急入院。男性は夜中、会員に「どうしたらいい」と電話で助けを求めてきた。後見人や武田理事長、支援センター担当者らが集まり、どう支援するかを協議した。施設に入る選択肢もあったが、男性は公園の清掃の仕事もしており、「自宅で暮らしたい」と希望した。
別のNPOで障害者の権利擁護活動に取り組む岩田裕子さん(62)が成年後見制度の保佐人として、自宅での暮らしを見守ることになった。夫眞(まこと)さん(67)もボランティアとして加わった。「チャレンジ」は拠点のマンションで通常は月に1~3泊程度実施している障害者の宿泊訓練を、男性には一時、毎月7日間に延長。会員らも交代で泊まり込み、洗濯や入浴、掃除などを教えている。
母親は同年12月1日、息を引き取った。
「定期券をなくした」「トイレの水が止まらない」。岩田さん夫妻には男性からひっきりなしに電話がかかる。夫妻は「まるで住宅の管理人」と苦笑するが、「親のように頼りにしてくれるのがうれしい」と、関わり続けていくことを決めている。
4月13日、会員らは男性の51回目の誕生日をケーキで祝った。男性は「時々寂しいこともあるけど、大丈夫。皆が心配してくれるからうれしい」と笑顔を見せた。武田理事長は「男性は親がいるうちに会とつながっていたからこそ地域ぐるみでの支援が可能になったが、1人暮らしには限界がある」と話し、日常生活の支援を受けながら自立した生活を送れるケアホームの整備を訴えている。
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